RUNEブランドの22作目(DVD版でのリニューアル除く)、Purelyのツンデレヒロイン恋鳥ルートをクリアしたのでまずは感想など書いてみたいと思います。
恋鳥ですが、序盤はそれはもう激しい嫌われようで、話しかけても無視されるわ返答が一々悪意篭ってるわで正直どうしたものかと思いましたが、終盤になると依存しまくりキャラとなって激しくまとわりついてきますw
なので、ツンデレは序盤と終盤の落差が良いんだ、という派にはうってつけのキャラといえるでしょう。
ただ、個人的には序盤にこういった態度をとっていたのであれば終盤は寧ろ素直になれない系ツンデレの方がまだ良かったのではないかという気もしなくもありません。
あるいはせめて、序盤の頃どういう態度だったなぁみたいな感じで思い出すようなイベントがあると良かったのではないでしょうか。
落差が激しく、話がそれなりに長い場合、最後の方になってくると序盤にどういう態度で接してきていたのかを段々忘れてきてしまいまして、実際には凄まじく激しい落差であるにも関わらず感動が薄れてしまう可能性があるため、甘味の中にも塩を混ぜるかのごとく時々は序盤の事を思い出させるようなイベントがあることで今の状態の感動をより盛り上げる事が出来ると思うのです。
ただまぁ、それでも終盤のデレデレ依存状態はそれはそれでアマアマでいい感じで面白いんですけどねw
話そのものは、恋鳥の住んでいるアパート取り壊し騒動が中心となって進んでいくわけですが、問題となっているのはアパートが取り壊される事で大家さんと離れると恋鳥が一人になってしまうという事だったように思います。
またそれ以外の問題として、恋鳥がじぃじと呼んでいた人物、鉄太郎氏との想い出の地という事もあるという事です。
ただ、最後の方になってくるとなんだかその設定があまり重要じゃなくなってくる感じなんですよね。
なんせ、恋鳥はゆーやが居れば住む場所はどこでも良いとさえ言わんばかりの勢いになるんで、じゃあゆーやの実家に一緒に住むで解決じゃないのか?とも思うわけです。
なんせ終盤は嫁、とか亭主とか言ってて普通に結婚する気バリバリな感じだし、恋鳥には親は居ないし主人公の親は普通に認めているしで、主人公の実家に一緒に住むことについての問題はどこにも無いでしょう。
だからここで問題があるとすれば大家さんなわけですが、この人についても終盤になると大家さんの息子が、大家さんの体調等心配して一緒に住もうと言ってくるわけで、しかも元々の地上げについてもかなり良い値で買い取ってくれる風だったのでこれでもう、想い出以外には特に問題は無いよなぁという感じになっているのにその想い出についてもあまり重要視されていない感じのシナリオ展開になっているので、これはもう寧ろアパートに拘っている方に多少の違和感を感じずにはいられませんでした。
ただ、それでも終始一貫してアパートを守り続けたというのはそれはそれで展開として正解だと思います。
問題なのはアパートを守る理由が希薄になってしまっているという事だけで、守る事自体ではありませんので。
あと、これは蛇足感想になるかもしれないので書こうか迷いましたが一応。
エンディングでまた恋鳥と一緒に暮らす事にする主人公なわけですが、まず1回目学校に同棲がばれた時の言い訳がアパートの取り潰しを阻止する為、だった訳ですよね。
まぁ、これは真実なんでどうでも良いんですが、ただエンディングではこの言い訳で停学解除と同時に、更にアパートの取り潰しの可能性自体を潰しているので、即ち主人公が恋鳥と同棲する理由自体がここで無くなっていると思うのですがどうなんでしょうね。
学校側にはアパート存続の為とか言いつつ実際にはアパートが潰される可能性はもう存在しない以上、2回目に同棲がばれたら今度は退学クラスなんじゃないのかという気もしなくもないんですが。
まぁ、この辺は物語を楽しむ上では考えるべき事じゃない範疇かもしれないのでどうかなとも思いましたが、一応。
このゲームは序盤で選択肢を選んでどのヒロインのルートに行くか、を決定するわけですが、この選択肢というのがモロにどのヒロインを選ぶか、というそのままのものになっているのでほぼ攻略は要りません。
こういうのは良いですね。
特に昨今のヌルゲーにどっぷり使っている今時のゲーマーにしてみれば、攻略サイトが無ければどうあがいても最後まで行けないようなゲームよりは純粋にお話を楽しめるので良いと思うんです。
ただ、それは良いんですがこのゲームの場合は選択肢が出ている最中はセーブが出来ません。
これはちょっと減点ですね。
今時のゲームで何時でもセーブ出来ないというのはそれだけで減点対象になってしまいます。
特に選択肢なんかはどこで現れるか判らないような物なのに、ついセーブをとり忘れて続行していたら選択肢になってしまってセーブ出来なくなったなんていう場面があるとついつい不便だなぁと感じてしまいますので。
また、このゲームは序盤に選択肢を選んでどのヒロインのルートに行くかを決定する、と書きましたがこの時期は話が基本的に繋がっていません。
いや、話は実際には繋がっているのかもしれないのですが、明らかに必要なイベントの2,3個すっ飛ばしているという印象を受けてしまいます。
例えば、ヒロインの一人につむぎというキャラがいるんですが、ゲーム開始当初は間違いなく主人公はつむぎの事を知らないのにも関わらず、選択肢を進めていると何故かいつの間にか知り合っていて、いつの間にか名前とか自分の実家で仲居をしている事を知っていたりして凄まじく違和感を感じます。
また、恋鳥ルートでの重要人物で、恋鳥がじぃじと呼んでいる鉄太郎さんという故人がいるわけですが、主人公は何故かいつのまにかこの鉄太郎さんという名前を知っています。
何時、どういう風に知ったかといった事は最後までプレイヤーには明かされません。
これは、基本的に主人公に感情移入するこういったゲームのプレイヤーの多くにとってかなりの違和感となって現れます。
物語の終盤、新しい登場人物が居なくなってくるとこういった違和感も無くなってくるのですが、少なくともそこに行くまでには凄まじい違和感を感じたまま物語を進めることになってしまうので感情移入の阻害となり、プレイをそこでやめてしまうプレイヤーも多少は居る事が予想されます。
これはつまり、要するに作りこみ不足なわけですが、シナリオを考えて他のヒロインとの整合性も合わせつつ選択肢の形に整えていく内に、実際には恐らく最初の内はあったであろうイベントを整合性をあわせるために取り除いたまま放置してしまい、それをそのまま出してしまったという形なのではないでしょうか。
ゲーム製作は(特に本数のあまり見込めそうのないエロゲにとっては)常に締め切りとの戦いなわけですが、今回のこれはシナリオ制定が終盤までずれ込んでしまったのでしょうか、なんだかそんな印象を受けますね。
というわけで、話そのものは悪くなかったんだけど作りこみ不足でマイナス印象もある感じでした。
ただ、やはり話そのものは悪くなかったし、問題になるのは大体物語り序盤~中盤にかけてなので、スキップを多用する2周目以降はあまり気にならないかもしれません。
という事で、2周目は温泉部部長、悠に行ってみたいと思います。